2002年度 ドローイング:授業の感想(抜粋)

(2002年4月7日作成/2002年9月14日改訂)


点で描く絵が一番楽しかったです。すごくめんどくさかったりしたけど、でき上がった時の達成感がとても大きかったからです。うまくできたかできないかということよりも、やってやった!という事がすごくわかってよかったです。普段も描きたくなってしまうぐらいはまったかもしれません。

点描は比較的、評判の良かった課題でした。確かに面倒なんですが、ただ素朴に点を打つということだけで劇的に立体感が画面から迫り出してくる、そういう面白さがありますよね。僕も何枚か、不思議な思いに魅せられて描いたことがあります。(西本)


先生の出す課題を裏切ったものを描くととても高く評価されたと思います。他の人のでおもしろいなーと思えるものを回したり、したくなりました。

課題を出す側には、こういう案が一番多いだろうなという予感がいつも漠然とあります。またそれがなければ、課題の説明は困難です。しかしその結果、思いもかけない作品が出てくるならば、非常に嬉しく思います。ただ授業でも話しましたように、これは「受け狙い」やアクロバティックな作品を考えてください、と言っているわけではありません。そのような下心はすぐに作品に反映されて、バレてしまうものです。客観的に、他の人はどのように捉えるだろうかと言うことをまず冷静に考えて、その上に立って自分の表現を工夫するという姿勢は単なる受け狙いなどとは異なり、そこが大事ではないかと思います。(西本)


高い画材はあまり使わないでほしい。(岩絵の具)

あー、高い顔料を買ってしまいましたか。説明したように、同じように見える顔料でも値段が恐ろしく異なります。友人と共同で買うこと、そして新岩絵の具を購入することです。ただ、群青など、どうしてこんなに高いのかということを、もし余裕があったら実際に確かめてみてください。色の深みが違うと言うことが本当にあるんだ、ということが分かると思います。何千年も前からこの色は高嶺の花で、アフガニスタンからの貴重な交易品として人類は大事に扱ってきました。考古学の一分野で現在でも討議されているほどです。近代を迎えても、似た色の合成に懸賞金がかかったほどのいわく付きの顔料です。(西本)


この授業で岩絵の具を使えて、とてもとても自分にとってはいいビタミンになりました。もう二度とつかうことはないだろうとか、思ったのだが、あの独特さが印象強かったせいか、また結局使用してしまった。

絵の具というのは、もともと簡単にできています。自然界にある色の付いたものを細かく砕いて水や油などで練る、というのが基本です。水彩画・油彩画・日本画・テンペラ・アクリル画、などという区別はあまり重要ではないと思います。時間があったら身の回りにある素材でいろいろと試してみてください。土を自分で練って茶色を作っている画家もいますので。(西本)


みんなの前で作品の講評するのは嫌でした。それが無ければ・・・

そ、そこを何とか。頑張ってください。(西本)


課題が大変だった。油絵を描きたかった。

人によっては、自宅で仕上げて持ってきてください、ということが重なって大変だったかもしれませんね。油絵は来年、考えたいと思います。イーゼルのいらない小さい号であれば、何とかできるかもしれませんね。(西本)


ドローイングの授業は、ただデッサンをするだけだと思っていたので、予定表を見て少し驚いた。それぞれの課題は今まで挑戦した事のなかったものが多かったので楽しかったけれど、一つ一つの課題にもう少し時間をかけてみたかった。興味を持ったことが多かったので、時間ができたらまた挑戦してみたい。あと、いろんな美術館も回ってみたくなった。授業時間内に自分たちの作品を作るだけでなく、めずらしい作品や本の紹介などもしてもらえれば、さらに興味を持てたように思える。

時間が思うように取れず、あんまり多くの画集をお見せできず、残念でした。スライドなどもやりたかったんですが。今後の課題にさせてください。(西本)


絵を描くのは苦手だし、絵の具を使うのも嫌いだし、日常ほとんどやらないことばかりだったのだけれども、たのしいと思えたことがこの授業をとったことの収穫だと考えてます。どちらかというと工作が好きです。
予定にあったサイコロがつくりたかった。

楽しいと思ってもらえたのなら本望です。それが一番の目標でしたから。絵をうまく描けるようになること自体は、さほど重要ではないと思っています。それよりも対象を見る方法や、自分の見方以外に認識の方法があり得るということの方が大事です。サイコロは僕もやりたかったんですけれども。この課題は、ペーパークラフトで立体パズルを作るというものでした。要するにバラバラにできるサイコロを作るというものです。来年、できるかどうか考えます。(西本)


とっても不思議な授業だった。初めてやる内容が多くて新鮮だった。

あんまりやらないような内容を、これからも続けられたらと思っています。20世紀という時代は、美術に対する考え方がとても大きく拡散して、また転換した時代で、まだまだ面白いことができるように感じています。そこら辺についても授業時間内に言及できれば良かったんですが。(西本)


もっとたくさんの課題を出して欲しかった。美術はもとからすごい好きだから、たくさんやりたかった。とくに抽象的なものが好きで、やっていて本当に楽しかったです。

いろいろな技法をたくさん紹介したかったんですけれども、時間が足りませんでした。版画なんかもやりたかったんですが。来年は簡単な版画として、フロッタージュなども考えています。もう一回同じ授業に出るというのはどう?(西本)


たくさんのことを少しずつより、少しのことを深くやりたかった。

そうですね、テクニカルなことは深く説明できませんでしたね。初回に、うーんと時間をかけて手を動かしてもらうという方法もあったかと思います。これも来年の検討課題です。意欲的な人には、別の課題をさらにやってもらうというのもひとつの方法かなと思っています。(西本)


小さい頃から、絵に興味があって、高校でも美術を選択していましたが、高校での課題はありふれたものばかりでした。今回、ドローイングの授業では、すごく新鮮で興味深かったです。もっと絵に興味がわきました。

絵画の世界は広大です。絵ばかりではなく、他の分野も是非、覗いてみてください。絵を題材とした音楽などもありますし。また建築の世界と非常に近接した絵の世界もあります。(西本)


ふつうに生活していたら出逢えないような事ばかりで、苦労の連続でした。でも、面白かったです。デッサンの仕方を具体的にもっと教えて欲しかったです。描き方とか、独学になってしまい、これで良いのか? と不安が残るまま、課題が終わってしまった時があったので・・・。

デッサンの仕方、具体的に伝えようかと迷ったりもしたんですが、でも絵の上手下手よりも、観点の斬新さとか、対象へのまなざしが伝わる暖かい絵の存在とかの方が取りあえず大事かという思いがずっと強くありました。生活創造デザイン学科の一科目ということを考え、あえて狭い道は取ることをしないことに決めた次第です。でも、少数の希望者にはガンガン言って鍛えるという手もありますよね。来年、ちょっと考えます。(西本)


もう少し先生の声が大きかったら良かったです。

・・・反省。ごめんなさい。 m(_ _)m


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